「プログラミングも英語も、どっちも本気で伸ばしたい」。そんな人にぜひ知ってほしいのが、福島県会津若松市にある公立大学、会津大学です。
会津大学は1993年に開学した、日本で最初のコンピュータ理工学専門の大学です。学部は「コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科」の1つだけ。入学する240人全員が、コンピュータを学ぶために集まっています。
この記事は、大学の公式サイトと入学者選抜要項をもとにまとめました。出願する前には、必ず大学の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。
① 特徴:「コンピュータ × 英語」をとことん学ぶ大学
会津大学の一番の特徴は、コンピュータと英語を本格的に学べるところです。公式サイトの「会津大学の強み」を数字で見ると、よくわかります。
| 項目 | 数字・内容 |
|---|---|
| 外国人教員 | 全教員の約4割 |
| 外国語で行われる講座 | 約6割 |
| 英語教育 | 第2外国語はなく、英語に集中。2年生から3年生に進級するときに、一定のTOEICの成績が必要 |
| 卒業論文 | 全員が英語で書いて、英語で発表 |
| コンピュータ | 約3,000台(学生数の約2.5倍) |
| 教員1人あたりの学生数 | 9.5人 |
| 県外出身者 | 64% |
大学の理念は「地域から世界へ」。会津で学びながら、英語を使って世界で通用する研究者・技術者を育てることを目指しています。大学発ベンチャーが多いことも特徴で、公式サイトには「全国の公立大学の中では第1位(平成29年度経済産業省調べ)」と紹介されています。
ほかの大学と比べると、「1学部1学科の単科大学で、全員がコンピュータ理工学を学ぶ」「英語の環境が飛びぬけている」のが特徴です。秋に入学して、授業をすべて英語で受ける「ICTグローバルプログラム全英語コース」もあります。
② 学べること:5つのフィールドから、自分だけの時間割を組む
学科は1つですが、中は5つの「フィールド」に分かれています。
| フィールド | こんな興味に対応 |
|---|---|
| コンピュータサイエンス | コンピュータの基本原理を知りたい |
| コンピュータシステム | コンピュータを設計してみたい |
| コンピュータネットワークシステム | インターネットの仕組みを知りたい |
| 応用情報工学 | ロボットや医療分野に興味がある |
| ソフトウェアエンジニアリング | 大規模なシステム開発をしてみたい |
授業は、数学・プログラミング・英語などの共通科目から始まり、フィールドごとの専門科目、そして卒業論文へと進みます。各自の興味や将来の進路に合わせて、自分だけのカリキュラムを組み立てられるのが特徴です。カリキュラムは、コンピュータ科学の国際標準カリキュラムに準拠しています。
授業の外でも「作る」経験ができる
- 課外プロジェクト(SCCP):学年を超えて参加できる自由科目です。半年で終えても、4年間続けても構いません。過去には、DockerやKubernetesを使ったWebサービス作りや、ラズベリーパイでモデルカーを動かすテーマなどがありました。
- ベンチャー体験工房「会津IT日新館」:起業やビジネスを体験できる授業です。
- チーム開発:3年生の夏に合宿形式の「創造力開発スタジオ」、後期にチームで開発する「開発プロジェクト実践」があります。
このほか、教職課程や、テクニカルコミュニケーター専門課程なども用意されています。
高校で身につけておきたいこと
入学者選抜要項には、「最新のコンピュータ理工学を学ぶために必要な基礎学力、特に数学と英語の能力を確認する試験を課す」と書かれています。会津大学を目指すなら、まずは数学と英語をしっかり固めることが大切です。
③ 入試(2027年度入試)
会津大学の一般選抜は、前期日程の「一般選抜A」と「一般選抜B」の2つだけで、後期日程はありません。この2つは、共通テストの使い方がまったく違います。特に一般選抜Aは、共通テストを理科か情報Ⅰの1科目だけで受けられる、とても珍しい方式です。
一般選抜の配点
| 区分 | 一般選抜A(96名) | 一般選抜B(48名) |
|---|---|---|
| 共通テスト | 理科または情報Ⅰから1科目:100 | 国語200、数学200(ⅠA・ⅡBC)、理科200(2科目)、英語200、情報Ⅰ 100、地歴・公民100(1科目)=1000 |
| 個別試験 | 数学250+英語250=500 | 数学250+英語250=500 |
| 総合点 | 600 | 1500 |
| 情報Ⅰの割合 | 情報Ⅰを使えば100/600=約17% | 100/1500=約7% |
- 一般選抜Aは、総合点600点のうち500点が個別試験(数学・英語)です。共通テストは、理科か情報のどちらか1科目だけ受けていれば出願できます。両方受けた場合は、点数の高い方が使われます。情報Ⅰが得意な人には、大きなチャンスです。
- 一般選抜Bは、共通テストを幅広く使う方式で、情報Ⅰは必須です。理科は「基礎」の科目を2つ解答して1科目と数えることもできます。
- AとBは、出願のときにどちらかを選びます(併願はできません)。個別試験は、AとBで同じ問題です。
- 個別試験の範囲は、数学が数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)、英語が論理・表現Ⅰ、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲです。
- 個別試験の各教科で一定の成績に届かないと、不合格になることがあります。どちらの方式でも、数学と英語が合否のカギです。
- 前の年の共通テストの成績は使えません。
募集人員(入学定員240人)
| 選抜 | 募集人員 |
|---|---|
| 一般選抜A(前期日程) | 96人 |
| 一般選抜B(前期日程) | 48人 |
| 学校推薦型選抜A(福島県内) | 48人 |
| 学校推薦型選抜B(全国) | 48人 |
このほかに、早期入学(飛び入学)とICTグローバルプログラムが若干名です。総合型選抜と後期日程はありません。募集人員・試験科目・配点は、2026年度から変わっていません。
入試日程
| 選抜 | 出願(ネット登録) | 試験 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 学校推薦型A・B | 2026年11月2日〜10日(書類は11月11日必着) | 11月28日 | 12月4日 |
| 一般選抜A・B | 2027年1月25日〜2月2日(書類は2月3日必着) | 2月25日 | 3月5日 |
大学入学共通テストは2027年1月16日・17日です。一般選抜の入学手続は、ネット登録が3月6日〜14日、書類が3月15日必着です。
学校推薦型選抜(共通テストなし)
推薦は、「情報」の実績でも出願できるのが大きな特徴です。次のいずれかに当てはまれば出願できます。
- 全体の学習成績の状況が3.8以上
- 経済産業省の情報処理技術者試験に合格(対象となる試験の区分は募集要項で確認してください)
- パソコン甲子園プログラミング部門の本選出場、または予選成績優秀証の授与
- 日本情報オリンピックの本選出場
- 福島県高文連の生徒理科研究発表会県大会での発表(推薦Aのみ)
- 推薦Aは福島県内の高校が対象で、1校から男女各 4名、計8名まで推薦できます。推薦Bは全国が対象で、人数の制限はありません。
- 現役生のみで、合格したら必ず入学することが条件です。
- 選考は、調査書(200点)、簡易テスト(英語100点・数学100点)、小論文、推薦書・志願理由書です。上の2〜4に当てはまる人は、調査書の点数に加点があります。
- 簡易テストの範囲は、数学が数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル)、英語が英語コミュニケーションⅠ・Ⅱです。
参考:倍率(2026年度入試の結果、公式)
| 選抜 | 志願者 | 合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 推薦A | 83 | 48 | 1.7 |
| 推薦B | 83 | 48 | 1.7 |
| 一般選抜A | 449 | 112 | 3.7 |
| 一般選抜B | 51 | 44 | 1.1 |
一般選抜Aは倍率が高く、一般選抜Bは低めです。共通テストの幅広い科目に自信があるならB、数学と英語で勝負したいならA、という選び方が考えられます。
④ 向いている人:コンピュータを「本気で」学びたくて、英語も楽しめる人
大学が求めるのは、コンピュータ理工学を学ぶための基礎学力があり、次のどちらかに当てはまる人です。
- 旺盛な好奇心や新しい事柄に挑戦する気概を持ち、コンピュータ理工学を学びたい人
- ICT を用いて、広く世界に貢献したいと考えている人
こんな人には、特に会津大学が合いそうです。
- 英語で学び、英語で卒業論文を書く環境を楽しめる人
- 共通テストの5教科よりも、数学と英語の個別試験で勝負したい人(一般選抜A)
- パソコン甲子園や情報オリンピック、情報処理技術者試験に挑戦してきた人(学校推薦型)
⑤ 卒業後:就職が中心、内定率は開学以来の平均で97%
会津大学の学部卒業生は、就職する人が中心です。公式サイトによると2025年度の進路は次のとおりです。
| 進路 | 2025年度 |
|---|---|
| 就職(民間企業147人、公務員・団体3人、起業・家業1人) | 151人 |
| 会津大学の大学院(博士前期課程)へ進学 | 64人 |
| 海外・ほかの大学院へ進学 | 4人 |
就職内定率は、開学以来の平均で学部が97%、大学院がほぼ100%です(公式)。大学院に進む人は3割ほどで、「大学院までが当たり前」という雰囲気とは少し違います。
主な就職先(2025年度卒業)
受験情報サイト(旺文社パスナビ)によると、アクセンチュア(7人)、ソフトクリエイトホールディングス(3人)、スズキ(2人)、東日本電信電話、楽天グループ、MIXI、キオクシア、横河電機、ナビタイムジャパン、国税局(各 1人)などです。IT・コンサルだけでなく、メーカーや公務員にも進んでいます。


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