「情報Ⅰ」は、もう大学入試では珍しい科目ではなくなりました。
2025年度から大学入学共通テストに「情報Ⅰ」が加わり、国立大学では多くの大学が共通テストで「情報Ⅰ」を利用しています。河合塾の2025年度調査では、国立大学の前期日程募集区分の97%で「情報Ⅰ」が必須とされています。
ところが、大学独自の個別試験で「情報」を出題する大学は、まだ少数派です。
そして、「情報を個別試験で受けられる」という点は同じでも、その重みは大学によって違います。
今回は、2027年度入試で確認できる国公立大学のうち、特徴的な4大学5パターンを比較してみます。
- まず知っておきたい。「情報Ⅰの個別試験」はまだ珍しい
- 2027年度、情報を個別試験で受けられる大学を見てみる
- ところが、配点を見てみると……かなり違う
- ① 電気通信大学—情報は「4科目のうちの1つ」
- ② 高知大学——物理の代わりに「情報」で受験できる
- ③ 広島市立大学——後期300点がすべて「情報」
- ④ 高知工科大学 情報学群——情報は「選択肢の一つ」
- ⑤ 高知工科大学 データ&イノベーション学群——選択肢としての情報
- 5パターンを並べると、これだけ違う
- 「情報があるか」だけではなく「何点あるか」を見よう
- 「情報Ⅰが得意」なら、志望校選びの材料にもなる
- まとめ——「情報Ⅰの個別試験」は、まだ珍しい。だからこそ確認したい
まず知っておきたい。「情報Ⅰの個別試験」はまだ珍しい
ここで、共通テストと個別試験を一度整理しておきましょう。
| 共通テスト | 個別試験 | |
|---|---|---|
| 「情報Ⅰ」の扱い | 多くの国立大学で利用 | 実施する大学はまだ少数 |
| 試験問題 | 大学入試センター | 各大学が作成 |
| 「情報Ⅰ」位置づけ | 一般的な入試科目へ | まだ珍しい入試科目 |
| 受験生が確認すること | 情報Ⅰの配点・利用方法 | 「そもそも情報で受験できるか」から確認 |
2025年度の共通テストから「情報Ⅰ」が加わったことで、情報は大学入試における新しい標準科目の一つになりました。
一方で、大学独自の個別試験まで見ると状況は違います。
「情報を個別試験で受けられる」ということ自体が、まだ珍しいのです。
2027年度、情報を個別試験で受けられる大学を見てみる
今回取り上げるのは、次の4大学5パターンです。
| 大学 | 学部・学群 | 日程 | 個別試験での情報の扱い |
|---|---|---|---|
| 電気通信大学 | 情報理工学域 | 前期 | 「情報Ⅰ」を個別試験で出題 |
| 高知大学 | 理工学部 情報科学科 | 前期 | 「情報・物理受験」で情報または物理を選択 |
| 広島市立大学 | 情報科学部 | 後期 | 個別試験の「情報」で受験 |
| 高知工科大学 | 情報学群 | 前期A・B | 理科・情報から1科目を選択 |
| 高知工科大学 | データ&イノベーション学群 | 前期A・B | 外国語・理科・情報から1科目を選択 |
電気通信大学では、個別学力検査の前期日程で「情報Ⅰ」を出題範囲としています。
高知大学理工学部情報科学科では、前期の個別試験で「数学受験」または「情報・物理受験」を選択でき、「情報・物理受験」では情報または物理を選択できます。
広島市立大学情報科学部では、後期日程の個別試験で「情報」を課す方式が設けられています。過去の募集要項では、情報Ⅰを300点・90分で実施していました。
高知工科大学では、2027年度の一般選抜前期について、情報学群で「理科・情報」から1科目、データ&イノベーション学群で「外国語・理科・情報」から1科目を個別学力検査の選択肢としています。
ところが、配点を見てみると……かなり違う
ここからが今回の記事のポイントです。
「情報の個別試験がある」と聞くと、どの大学でも同じくらい情報が重要だと思ってしまいそうです。
しかし、配点を並べてみると、
100点の大学もあれば、300点すべてが情報という大学もあります。
情報Ⅰの個別試験、どれくらい重い?
| 大学・学部 | 個別試験の総点 | 情報の配点 | 個別試験に占める割合 | 総合点に占める割合※ |
|---|---|---|---|---|
| 電気通信大学 情報理工学域 | 500点 | 100点 | 20% | 10% |
| 高知大学 理工学部 情報科学科 | 400点 | 400点 | 100% | 約30% |
| 広島市立大学 情報科学部 | 300点 | 300点 | 100% | 約33% |
| 高知工科大学 情報学群A方式 | 400点 | 200点 | 50% | 約15% |
| 高知工科大学 情報学群B方式 | 400点 | 200点 | 50% | 約20% |
| 高知工科大学 データ&イノベーション学群A方式 | 400点 | 200点 | 50% | 約22% |
| 高知工科大学 データ&イノベーション学群B方式 | 400点 | 200点 | 50% | 約20% |
※共通テストと個別試験の配点を単純に合算した場合の目安。実際の合否判定は各大学の募集要項をご確認ください。
この表を見ると、同じ「情報の個別試験」でも、その意味がかなり違うことが分かります。
① 電気通信大学—情報は「4科目のうちの1つ」
電気通信大学の情報理工学域では、前期の個別学力検査で「情報Ⅰ」が出題されます。
個別試験全体が500点、そのうち情報が100点。
つまり、
情報Ⅰは個別試験の20%。
総合点1,000点で考えると、情報Ⅰは100点なので10%です。
情報Ⅰが個別試験に入っていること自体は大きな特徴ですが、英語・数学・理科などと並ぶ一つの科目として位置づけられています。
「情報Ⅰが必須だから、情報だけで勝負する」大学ではない。
他の主要科目と合わせて、総合力で戦う入試です。
② 高知大学——物理の代わりに「情報」で受験できる
高知大学理工学部情報科学科は、少し特徴的です。
前期の個別試験では、
- 数学受験
- 情報・物理受験
の区分があり、「情報・物理受験」では情報または物理を選択できます。
そして、情報を選択した場合、個別試験の情報は400点。
つまり、
個別試験400点のすべてを情報で受験する
という選択が可能です。
これは今回比較する5パターンの中でも、情報Ⅰの存在感が非常に大きい方式です。
「情報Ⅰを使える」というだけではありません。
情報Ⅰを個別試験の中心科目として使える。
ここが大きな特徴です。
③ 広島市立大学——後期300点がすべて「情報」
広島市立大学情報科学部も、情報Ⅰの個別試験を特徴とする大学です。
後期日程では、個別試験で「情報」を実施。
過去の募集要項では、情報Ⅰの試験は300点・90分とされています。
つまり、
個別試験300点=情報
という構成です。
さらに、共通テストでも情報に200点が配点されています。
そのため、単純に配点を足すと、
共通テストの情報200点+個別試験の情報300点=500点
となります。
総合900点のうち、情報に関する配点だけで500点。
もちろん、実際の合否は他の科目との得点状況などを含めて決まりますが、
「情報Ⅰがかなり大きな位置を占める入試」であることは、配点からはっきり分かります。
④ 高知工科大学 情報学群——情報は「選択肢の一つ」
高知工科大学情報学群の前期A方式では、個別試験で数学が必須となり、もう1科目を理科・情報から選択する形です。
情報を選んだ場合、その配点は200点。
個別試験全体は400点なので、
情報は個別試験の50%。
情報だけが必須というわけではなく、理科との選択ができる点が特徴です。
つまり、
「情報で受験できる」けれど、「情報で受験しなければならない」わけではない。
ここは高知大学や広島市立大学とは大きく違います。
⑤ 高知工科大学 データ&イノベーション学群——選択肢としての情報
データ&イノベーション学群も、情報を個別試験の選択肢に含めています。
前期A方式では、個別試験で、
外国語・理科・情報
から1科目を選択。
情報を選択した場合は200点です。
個別試験全体は400点なので、情報は50%。
ただし、情報だけで受験するわけではありません。
「自分の得意科目として情報を選べる」
という位置づけです。
5パターンを並べると、これだけ違う
ここまでを一枚にまとめると、かなり分かりやすくなります。
| 情報の位置づけ | 個別試験での情報の重み | |
|---|---|---|
| 電気通信大学 | 必須科目の一つ | ★★☆☆☆ |
| 高知大学 | 情報・物理から選択 | ★★★★★ |
| 広島市立大学 | 個別試験そのものが情報 | ★★★★★ |
| 高知工科大学 情報学群 | 理科・情報から選択 | ★★★☆☆ |
| 高知工科大学 データ&イノベーション学群 | 外国語・理科・情報から選択 | ★★★☆☆ |
※星は記事内での比較を分かりやすくするための目安です。入試難易度や合格可能性を示すものではありません。
「情報があるか」だけではなく「何点あるか」を見よう
ここまで見てきたように、
「志望校は情報Ⅰの個別試験があります!」
だけでは、まだ十分ではありません。
確認したいのは、次の5点です。
志望校を調べるときのチェックポイント
① 個別試験で情報を実施する?
まずは、そもそも情報で受験できるのかを確認。
↓
② 情報は必須?選択?
必須科目なのか、他の科目から選択できるのか。
↓
③ 情報は何点?
100点なのか、200点なのか、300点なのか。
↓
④ 個別試験全体の何%?
情報の個別試験に占める割合を見る。
↓
⑤ 総合点の何%?
共通テストまで含めて考える。
この5つを確認すると、
「自分の志望校では、情報Ⅰをどれくらい重要視すべきなのか」
が見えてきます。
「情報Ⅰが得意」なら、志望校選びの材料にもなる
情報Ⅰは、2025年度から共通テストに加わった新しい科目です。
その一方で、個別試験で情報を課す大学はまだ限られています。
だからこそ、
「情報Ⅰが得意だから、情報を使える大学を探してみる」
という志望校選びも、一つの考え方になります。
もちろん、情報だけを理由に大学を決める必要はありません。
学びたい内容、大学の環境、立地、就職、入試科目など、さまざまな条件を考える必要があります。
ただ、
「情報Ⅰを勉強しているなら、情報を個別試験で使える大学がある」
ということは知っておいて損はありません。
まとめ——「情報Ⅰの個別試験」は、まだ珍しい。だからこそ確認したい
2025年度から共通テストに「情報Ⅰ」が加わり、国立大学では多くの大学が情報Ⅰを利用するようになりました。
しかし、大学独自の個別試験で「情報」を課す大学は、まだ少数派です。
大切なのは、
その大学では、情報Ⅰが何点なのか。
必須なのか、選択なのか。
総合点の中で、どれくらいの重みを持っているのか。
というところまで見ること。
情報Ⅰが共通テストの新しい定番科目になりつつある今、次に注目したいのは、「情報Ⅰが大学独自の入試でどこまで広がっていくのか」です。
今後、情報Ⅰを個別試験に取り入れる大学が増えていくのか。
2027年度入試は、その動きを見るうえでも注目したい年度と言えそうです。
入試情報についての注意
本記事は2027年度入試について、各大学が公表している情報をもとに整理しています。
入試科目・配点・選択方法などは変更される可能性があります。実際に出願する際には、必ず各大学の最新の学生募集要項・入試情報を確認してください。


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