こんにちは!
インターネットで安全に通信するために欠かせないのが「暗号化(あんごうか)」です。
共通テスト「情報Ⅰ」や定期テストでも頻出のテーマですね。
今回は、代表的な 共通鍵暗号方式 と 公開鍵暗号方式 のしくみを、高校生にもわかりやすく解説します。
図を使ってイメージしながら、しっかり理解していきましょう!
🔐 暗号化とは?情報を守る大切な仕組み
私たちは毎日、スマホやパソコンでたくさんのデータをやり取りしています。
SNSのメッセージ、ネットショッピングの注文、メールの送受信など……。
もしこれらの通信が他の人にのぞかれてしまったら、困ってしまいますよね。
そんなときに活躍するのが 暗号化技術 です。
「平文(へいぶん)」と呼ばれる元の文を、特定のルールで別の形(暗号文)に変えて、安全に送る仕組みのことです。
暗号化の方法には、主に次の2つがあります。
- 共通鍵暗号方式(きょうつうかぎあんごうほうしき)
- 公開鍵暗号方式(こうかいかぎあんごうほうしき)
🗝️ 共通鍵暗号方式とは?
共通鍵暗号方式は、送信者と受信者が同じ鍵を使う 暗号方式です。

- 送信者は「共通鍵」を使って平文を暗号化します。
- 受信者は同じ共通鍵で暗号文を復号し、もとの平文に戻します。
つまり、1本の鍵を2人で共有して使う仕組みです。
たとえるなら、「2人だけが知っている合言葉」で秘密の手紙をやり取りするようなイメージです。
✅ 共通鍵暗号方式の特徴
- 暗号化と復号の処理が速く、スピーディーに通信できる。
- ただし、共通鍵を安全に相手へ渡す方法が難しい のが欠点です。
もし途中で鍵が盗まれてしまったら、内容を解読されてしまう危険があります。
🔓 公開鍵暗号方式とは?
公開鍵暗号方式では、「公開鍵」と「秘密鍵」 の2つの鍵を使います。

- 公開鍵:誰でも使える鍵。送信者がこれを使って暗号化。
- 秘密鍵:受信者だけが持っている鍵。復号に使う。
流れとしては次のようになります。
- 送信者は「受信者の公開鍵」を使って暗号化。
- 受信者は、自分だけが持つ「秘密鍵」で復号して読む。
公開鍵はみんなに公開されていても、秘密鍵は本人しか持っていないため、他人に内容を知られることはありません。
✅ 公開鍵暗号方式の特徴
- 鍵を安全にやり取りできる(公開しても大丈夫!)
- ただし、処理速度は共通鍵方式より少し遅い という特徴があります。
💡 実際の通信ではどちらが使われているの?
実は、インターネット上では 2つの方式を組み合わせて使う ことが多いです。
たとえば、「https://」で始まる安全なサイト(SSL/TLS通信)では、
- 最初に公開鍵暗号方式で「共通鍵」を安全に交換し、
- その後の通信はスピードの速い共通鍵暗号方式で行います。
つまり、お互いの長所を活かして安全かつ効率よく通信しているんです。
🌸 まとめ:テストでも出る暗号方式の違い
| 方式名 | 使用する鍵 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 共通鍵暗号方式 | 同じ鍵を共有 | 処理が速い | スピード重視 | 鍵の共有が難しい |
| 公開鍵暗号方式 | 公開鍵と秘密鍵の2つ | 安全性が高い | 鍵を公開できる | 処理が遅い |
📝 暗号化のしくみを確認しよう!(確認問題)
問題1
共通鍵暗号方式では、送信者と受信者が( ① )鍵を使って暗号化と復号を行う。
選択肢
A. 同じ
B. 別々の
問題2
公開鍵暗号方式では、暗号化に使う鍵は( ② )であり、復号に使う鍵は( ③ )である。
選択肢
A. 公開鍵
B. 秘密鍵
問題3
次のうち、公開鍵暗号方式の特徴として正しいものを選びなさい。
選択肢
A. 暗号化と復号に同じ鍵を使う
B. 鍵を安全に渡すのが難しい
C. 公開鍵を使って暗号化し、秘密鍵で復号する
💡 解答と解説
【答え1】
① → A. 同じ
解説:
共通鍵暗号方式は「共通の鍵」を使う方式です。
送信者と受信者が同じ鍵を持っていて、その鍵で暗号化と復号を行います。
スピードは速いのですが、鍵をどうやって相手に安全に渡すかが課題になります。
【答え2】
② → A. 公開鍵
③ → B. 秘密鍵
解説:
公開鍵暗号方式では、公開鍵(誰でも使える鍵)で暗号化し、
秘密鍵(本人だけが持つ鍵)で復号します。
これにより、送信者は安全にメッセージを送ることができます。
公開鍵が外に知られても、秘密鍵が守られていれば中身を解読される心配はありません。
【答え3】
答え → C. 公開鍵を使って暗号化し、秘密鍵で復号する
解説:
公開鍵暗号方式の最大の特徴は、鍵を公開できることです。
送信者は受信者の公開鍵を使ってメッセージを暗号化し、受信者は自分だけが持っている秘密鍵で復号します。
これにより、安全な通信が可能になります。
一方で、共通鍵暗号方式は同じ鍵を共有する必要があり、そこが違いのポイントです。

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