こんにちは。高校情報の未来予想図です。
高校情報Ⅰで出てくる『尺度水準(しゃくどすいじゅん)』。
「尺度水準ってどういうこと?」
「比率尺度と間隔尺度って何が違うの?」
こんな風に感じていませんか?
この記事では、尺度水準の意味・図解・例題を使って、高校生にもわかるようにやさしく解説します。
授業や定期テスト対策にもなる内容なので、しっかり理解しておきましょう!
尺度水準とは?
「尺度水準(しゃくどすいじゅん)」とは、データの「種類」を表す考え方。
基本は4つ:名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比率尺度です。
データには種類があり、扱える統計解析やグラフ表示のルールが尺度水準で決まります。
尺度水準を押さえると
- 使える代表値(平均・中央値・最頻値など)
- 実施可能な計算(加減・比率・大小比較など)
- 適切なグラフ形式(棒グラフ・ヒストグラム・箱ひげ図など)
が一目瞭然になります。
名義尺度
内容:ラベル(名前)だけが意味を持ち、=/≠が判断できる。
具体例:
- 血液型(A型・B型…)
- 部活動名(サッカー部・吹奏楽部)
- 都道府県
使える代表値:最頻値(一番多いカテゴリ)
適したグラフ:棒グラフ・円グラフ
できない計算:平均・差・比率・大小比較
順序尺度
内容:順番があるが、間隔の大きさは不明。
具体例:
- 満足度アンケート(1~5)
- テストの順位
- 評価ランク(優・良・可)
使える代表値:最頻値、中央値、四分位数
適したグラフ:順序付き棒グラフ・箱ひげ図
できない計算:平均(原則NG)、正確な差の比較
間隔尺度
内容:差(差分)に意味があるが、絶対的なゼロがない。
具体例:
- 摂氏温度(℃)
- 西暦年数
- 時刻(24時間制)
使える計算:最頻値、中央値、四分位数、加減、平均、分散・標準偏差
適したグラフ:折れ線グラフ・ヒストグラム
できない計算:比率(倍々比較)
比率尺度
内容:差も比も意味があり、絶対的なゼロが存在する。
具体例:
- 身長・体重
- 所要時間・距離
- 年収・テスト得点
- ケルビン温度(K)
使える計算:最頻値、中央値、四分位数、四則演算、平均、分散・標準偏差、比率
適したグラフ:ヒストグラム・箱ひげ図・散布図
統計量とグラフの対応表
尺度 | 代表値 | ばらつき | 主なグラフ | できる計算 |
---|---|---|---|---|
名義 | 最頻値 | (基本なし) | 棒・円 | =/≠ |
順序 | 中央値 | 四分位範囲 | 並べた棒、箱ひげ | =/≠、</> |
間隔 | 平均(もOK) | 分散・標準偏差 | 折れ線、ヒスト | =/≠、</>、差 |
比率 | 平均・中央値・最頻値 | 分散・標準偏差 | ヒスト、箱ひげ、散布図 | =/≠、</>、差、比 |
尺度水準の見分け方
尺度を迷ったら、次の順でチェックしましょう。
- 名前(ラベル)だけ? → 名義尺度
- 順番だけわかる? → 順序尺度
- 差の大きさに意味がある? → 間隔 or 比率
- 0が「存在しない」を示す? → はい:比率/いいえ:間隔
実践問題(例題)
以下の文を読んで、尺度水準に分類しよう。
【例題】
体育祭に関する次のデータについて、それぞれの尺度水準(名義・順序・間隔・比率)を答えなさい。
(1) 出場競技の名前(例:リレー、玉入れ、障害物競走)
(2) クラス対抗リレーの順位(1位、2位、3位…)
(3) クラス対抗リレーのタイム(秒)
(4) 開会式の開始時刻(例:9時30分)
(5) 観客数(人)
【答え】
(1) 名義尺度
- 理由:名前はただのラベル。リレーが玉入れより「大きい」わけではない。
- できる計算:出現回数・割合(例:リレー出場率70%)
- できない計算:平均・差・倍(例:「リレーは玉入れの2倍」なんて言えない)
- グラフ例:棒グラフ・円グラフ
(2) 順序尺度
- 理由:順位は順番だけを示し、差の大きさは一定とは限らない。
- 例:1位と2位の差は0.1秒かもしれないが、2位と3位の差は5秒かもしれない。
- できる計算:順序比較(大きい・小さい)、中央値
- できない計算:差や倍の量的解釈(「1位は2位の2倍速い」は意味なし)
- グラフ例:棒グラフ(順位順)、ヒストグラムは不可
(3) 比率尺度
- 理由:時間は0秒が絶対的ゼロであり、差も倍も意味がある。
- 例:20秒は10秒の2倍時間がかかっている。
- できる計算:差・倍・平均・標準偏差
- できない計算:特になし(ただし単位をそろえることは必須)
- グラフ例:折れ線グラフ、散布図、ヒストグラム
(4) 間隔尺度
- 理由:時刻は差は意味があるが、0時が「時間の無さ」を表す絶対的ゼロではない。
- 例:10時は5時の2倍長い時間ではないが、「2時間後」という差は言える。
- できる計算:差(時間差)、平均(ただし日付をまたぐ場合注意)
- できない計算:倍の比較(「10時は5時の2倍」ではない)
- グラフ例:時系列グラフ
(5) 比率尺度
- 理由:人数は0人が「全くいない」ことを表し、倍の比較ができる。
- 例:200人は100人の2倍
- できる計算:差・倍・平均・割合
- できない計算:特になし
- グラフ例:棒グラフ、円グラフ
まとめ
- 名義=名前だけ
- 順序=順番だけ
- 間隔=差OK・比NG(0が絶対的じゃない)
- 比率=差OK・比OK(0が絶対的)
尺度水準を押さえれば、統計のグラフ選択も計算ルールも自信をもって判断できます。
ぜひ練習問題にチャレンジして、尺度水準マスターを目指しましょう!
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