広島大学の「情報科学部」ってどんなところ?
広島大学情報科学科は、情報科学の幅広い分野を総合的かつ包括的に扱う、「計算機科学」「データ科学」「知能科学」を柱とする学部です。
現代の高度情報化社会を支える中核となる情報処理技術と、データを適切に処理・分析し、社会課題の解決に貢献できる人材の育成を目指しています。
学科構成(1学科)
広島大学情報科学部には「情報科学科」があり、2年次末に学生の希望と成績を考慮して、以下のいずれかのプログラムを選択します。
計算機科学プログラムでは、コンピュータのハードウェアからソフトウェア、ネットワークに関する基礎から応用までを体系的に学び、情報処理システムやアプリケーションを企画・開発・運用できる技術者を育成します。
データ科学プログラムでは、ビッグデータを含む様々なデータの処理・分析・理解を効率良く行うための専門科目を体系的に学び、データ分析の基盤と応用能力、多分野への応用性・有用性を理解した分析力の高い人材を育成します。
知能科学プログラムでは、人工知能、機械学習、IoTなどに関する専門知識を基礎から応用まで体系的に学び、知能科学の幅広い知識に基づいた多角的な視野と分析手法を駆使して課題を解決する能力を身につけた技術者や研究者を育成します。
学科名 | 主な学び | 進学元(入試区分) |
---|---|---|
計算機科学プログラム | 情報ネットワークセキュリティ・通信システム・ソフトウェア開発など | 文理融合 |
データ科学プログラム | 数理統計・ビックデータ・情報数理学など | 文理融合 |
知能科学プログラム | 人工知能・認知科学・画像情報処理・機械学習など | 文理融合 |
カリキュラム
教養・基礎力の養成
平和科目、外国語などの教養教育を通じて、豊かな人間性と国際社会で活躍するための柔軟な視野を育てます。
また、数学、プログラミング、データ解析などの基礎科目を履修し、情報科学全般に共通する知識と技術を修得します。
専門基盤の確立
計算機科学、データ科学、知能科学の3プログラムに分かれ、それぞれの基盤となる専門科目を履修します。
プログラミング、アルゴリズム、統計基礎、情報理論、人工知能概論など、情報科学の広範な基礎知識を体系的に学ぶ。
応用力・実践力の強化
分野ごとに発展科目の履修をします。
・計算機科学プログラムでは、計算理論、ネットワーク、組込み設計、ソフトウェア工学 など
・データ科学プログラムでは、データマイニング、ビッグデータ、計量経済学、生物統計 など
・知能科学プログラでは、自然言語処理、ビジュアルコンピューティング など
さらに、 情報科学演習や実用英語を通じ、設計・実装・分析・プレゼンテーションなど実践的なスキルを身につけます。
自立的問題解決力の育成
必修科目のセミナーでは、 研究の進め方、討論、プレゼン技法を学び、卒業研究に向けた基礎力を形成します。
履修モデル別の発展的学修をします。
・基礎履修モデルでは、各プログラムの専門知識を活かし、自ら課題設定し卒業論文を完成
・融合履修モデルでは、他学部と連携した指導を受け、学際的視点から研究に取り組む
・実践履修モデルでは、卒論の代替として8ヶ月の企業フィールドワークに参加し、即戦力としての実務能力を習得
入試情報(2025年度入試)
一般選抜 前期日程の入試科目・配点
A型
大学入学共通テスト (1000点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から2科目選択 (各100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 から2分野選択 (2分野で1科目とする) (100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 1:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (100点)
※理科は基礎2分野指定だが、発展1科目でも基礎科目とみなす。
個別学力試験 (1200点満点)
- 外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語から1科目選択) (400点)
- 数学I・II、数学A・B・C (800点)
B型
大学入学共通テスト (1000点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 1:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (100点)
個別学力試験 (1200点満点)
- 外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語から1科目選択) (400点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (800点)
A型 | B型 | |
合格の目安偏差値(河合塾) | 55.0 | 52.5 |
共通テスト得点率(河合塾) | 69% | 68% |
個別試験配点比率 | 54% | 54% |
一般選抜 後期日程の入試科目・配点
大学入学共通テスト (1600点満点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各400点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 1:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (400点)
- 情報: 情報I (400点)
個別学力試験 (100点満点)
- 面接(100点)
面接では、科学技術への関心や論理的思考力、学習意欲、適性などに関して総合的に評価されます。
後期 | |
合格の目安偏差値(河合塾) | ー |
共通テスト得点率(河合塾) | 88% |
個別試験配点比率 | 6% |
総合型選抜の入試科目・配点
Ⅱ型(大学入学共通テストを課す選抜)
選考は、第1次選考と第2次選考によって行われます。
- 第1次選考
- 筆記試験と面接が実施されます。筆記試験(200点)、面接(100点)、出願書類(100点)を総合的に評価されます。
- 筆記試験では、情報科学を学ぶ上での数学の基礎知識、論理的思考力と分析力をみる問題が出題されます。
- 面接では、勉学に対する意欲や適性をみる質問が聞かれます。
- 第2次選考
- 第1次選考合格者に対して大学入学共通テストで第2次選考が実施されます。合計点が、合格基準点(700点)以上であることが必要です。
- 大学入学共通テストで利用する科目は、一般選抜 前期日程と同じです。A型、B型どちらも選択することができます。
国際バカロレア型
選考は、出願書類(IB最終試験6科目の成績評価証明書及び志望理由書)(100点)、筆記試験(200点)、面接(100点)の総合点で評価されます。
筆記試験では、情報科学を学ぶ上での数学の基礎知識、論理的思考力と分析力をみる問題が出題されます。
面接では、勉学に対する意欲や適性をみる質問が聞かれます。
学校推薦型選抜の入試科目・配点
選抜方法
選抜は、出願書類(調査書、志望理由書、推薦書、推薦要件証明書類及びオンデマンド講義レポート)(100点)、筆記試験(200点)、面接(100点)が総合的に評価されます。
※詳細は必ず最新の募集要項をご確認ください。
広島大学 情報科学部のメリット
- 3つの主専攻プログラム: 「計算機科学」「データ科学」「知能科学」という明確な3つのプログラムがあり、学生は2年次末に自身の興味や将来の目標に合わせて専門分野を選択し、深く掘り下げて学ぶことができます。これにより、ミスマッチが少なく、専門性を高めやすいです。
- 情報科学の核を網羅: ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークから、データ分析、AI、IoTまで、情報科学の主要な領域を総合的に学べるため、幅広い知識とスキルが身につきます。
- 卒業後の進路が幅広い: データサイエンティスト、データアナリスト、AIエンジニア、システムエンジニアなど、需要の高い専門職を目指せるだけでなく、様々な産業界(製造業、金融、電力、サービスなど)の情報システム部門や研究開発部門など、幅広い分野で活躍の場があります。大学院への進学も多く、さらに専門性を深める道も開かれています。
卒業後の進路・就職先
- 広島大学大学院先進理工系科学研究科への進学
- JR九州システムソリューションズ、アイ・エル・シーなど情報通信業
- 日立製作所、マツダ、小松製作所など製造業
どんな人におすすめ?
広島大学情報科学部は、以下のような方におすすめできる学部です。
情報科学全般に興味がある人
- ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど、コンピュータの基礎から応用まで幅広く学びたい人。
- 大量のデータを分析し、そこから意味のある洞察や予測を導き出すことに魅力を感じる人。
- AIの原理や応用、IoTシステムの構築などに携わりたい人。
- コードを書いてシステムやアプリケーションを開発するなどプログラミングが好き、または得意な人。
論理的思考力や問題解決能力を鍛えたい人
- 複雑な問題を体系的に分析し、論理的な解決策を導き出すことにやりがいを感じる人。
- 数学や理科(特に物理)が得意で、それらの知識を情報科学に応用したい人。
- 新しい技術や知識を積極的に学び、常にスキルアップを目指したい探求心旺盛な人。
実践的な学びを重視する人
- 理論だけでなく、実際に手を動かしてシステム開発やデータ分析を経験したい人。
- 企業や地域社会との連携プロジェクトを通じて、実社会の課題解決に貢献することに興味がある人。
- 卒業後すぐにでも、現場で役立つ実践的なスキルを身につけたい人。
将来の選択肢を広げたい人
- データサイエンティスト、AIエンジニア、ソフトウェア開発者、システムアーキテクトなど、需要の高い専門職を目指したい人。
- IT業界だけでなく、製造業、金融、コンサルティング、研究機関など、幅広い分野で情報科学の知識を活かしたいと考えている人。
- 大学院に進学して、さらに専門性を深めたいという意欲がある人。
広島大学情報科学部は、情報社会の未来を担う人材を育成するために、情報の基礎から応用、そして社会との関わり方まで幅広く学べる環境が整っています。
もしあなたが上記のいずれかに当てはまるなら、ぜひ情報学部への進学を検討してみてください。
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