筑波大学の「情報学群」ってどんなところ?
筑波大学情報学群は、情報を扱うさまざまな技術や考え方を学び、情報社会の未来をリードする人材を育てる学びの場です。
情報の記録・共有・活用の方法や、情報が社会や文化にどのような影響を与えるかといった視点まで、幅広く深く学べます。
「技術立国・日本」を支える次世代の力を育てるため、実践力と教養を兼ね備えたカリキュラムが整っています。
情報学群は、次の3つの学類から構成されています。
学科構成(3学類)
情報科学類では、AIやソフトウェア、情報システムなど、情報に関する科学と技術を基礎から応用まで幅広く学びます。想像力・チャレンジ精神・倫理観を大切にしながら、実社会の課題を見つけて解決に導く力を養います。専攻分野は「ソフトウェアサイエンス」「情報システム」「知能情報メディア」の3つです。
情報メディア創成学類では、デジタルコンテンツとネットワークメディアについて学びます。技術だけでなく、人間・社会・文化などへの理解や感性も重視されており、幅広い視野を持った情報技術者・研究者を目指せます。「コンテンツテクノロジー」と「ネットワークメディア」の2軸を中心に学びます。
知識情報・図書館学類では、インターネットや図書館のような知識の流通・共有を支える仕組みや情報システムについて学びます。情報の整理・管理・活用を行うための技術や理論、マネジメント力を身につけ、文系・理系の枠を超えた広い視野で活躍できる人材を目指します。専攻は「知識科学」「知識情報システム」「情報資源経営」の3つです。
学科名 | 主な学び | 進学元(入試区分) |
---|---|---|
情報科学類 | ソフトウェアサイエンス、情報システム、知能情報メディアなど | 理系 |
情報メディア創成学類 | コンテンツテクノロジー・ネットワークメディアなど | 理系 |
知識情報・図書館学類 | 知識科学、知識情報システム、情報資源経営など | 文理融合 |
カリキュラム
各学類によって専門科目は異なりますが、情報学群全体として、1年次には情報学の基礎となる科目や、数学、外国語などの基礎科目を学びます。
2年次以降は、各学類の専門科目を集中的に学び、3・4年次には専門科目に加えて、卒業研究に取り組みます。
- 情報科学類は、ソフトウェアサイエンス、情報システム、知能情報メディアの3つの主専攻に分かれ、それぞれの分野を深く学びます。
- 情報メディア創成学類は、情報メディア技術の基礎から応用、コンテンツ制作、インタラクションデザインなどを学びます。
- 知識情報・図書館学類は、知識科学、知識情報システム、情報経営・図書館の3つの主専攻に分かれ、それぞれの専門性を高めます。
入試情報(2025年度入試)
一般選抜 前期日程の入試科目・配点
情報科学類
大学入学共通テスト (1000点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (100点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて、100点満点として扱う。
個別学力試験 (1600点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (700点)
- 理科「物理」 「化学」「生物」「地学」から2科目選択 (500点)
- 外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目選択(400点)
情報メディア創成学類
大学入学共通テスト (1000点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (100点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて、100点満点として扱う。
個別学力試験 (800点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (400点)
- 外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目選択(400点)
知識情報・図書館学類
大学入学共通テスト (1000点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から選択 (各100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 から2分野選択 (2分野で1科目とする) または物理、化学、生物、地学 から選択(各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (100点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて、100点満点として扱う。
※地歴公民・理科から3科目選択。
理科は「基礎2分野」「発展1科目」「発展2科目」のいずれかを選択。
個別学力試験 (200点満点)
- 小論文 (200点)
総合選抜 文系
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から2科目選択 (各100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 から2分野選択 (2分野で1科目とする) (100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
※理科は基礎2分野指定だが、発展1科目でも基礎科目とみなす。
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて100点満点とし、50点満点で扱う。
個別学力試験 (1500点満点)
- 国語(500点)
- ※数学I・II、数学A・B・C (500点)
- ※地歴公民「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」から1科目選択(500点)
- 外国語(英語) (500点)
数学・地歴公民から1科目選択
総合選抜 理系Ⅰ
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 / 地理総合、歴史総合、公共 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて100点満点とし、50点満点で扱う。
個別学力試験 (1500点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (500点)
- 外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目選択(500点)
- 理科「物理基礎・物理」と、「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「地学基礎・地学」から1科目選択(500点)
総合選抜 理系Ⅱ
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 / 地理総合、歴史総合、公共 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて100点満点とし、50点満点で扱う。
個別学力試験 (1500点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (500点)
- 外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目選択(500点)
- 理科「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「地学基礎・地学」から2科目選択(500点)
総合選抜 理系Ⅲ
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 / 地理総合、歴史総合、公共 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 4:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
※情報は受験者に対し一律に50点を与え、実際の得点を50点に圧縮した点数に加えて100点満点とし、50点満点で扱う。
個別学力試験 (1500点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (600点)
- 外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」から1科目選択(500点)
- 理科「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「地学基礎・地学」から2科目選択(400点)
情報科学 | 情報メディア創成 | 知識情報・図書館 | 総合選抜 文系 | 総合選抜 理系Ⅰ | 総合選抜 理系Ⅱ | 総合選抜 理系Ⅲ | |
合格の目安偏差値(河合塾) | 57.5 | 57.5 | – | 60.0 | 57.5 | 55.0 | 57.5 |
共通テスト得点率(河合塾) | 82% | 85% | 83% | 79% | 77% | 79% | 78% |
個別試験配点比率 | 62% | 44% | 17% | 61% | 61% | 61% | 61% |
学校推薦型選抜の入試科目・配点
選抜方法
志願者に対して、小論文、面接が実施されます。
選抜は、提出された書類、小論文、面接を総合的に評価し、合格者が決定されます。
総合型選抜の入試科目・配点
アドミッションセンター入試の選考方法
選考は、第1次選考と第2次選考によって行われます。
- 第1次選考
- 提出された自己推薦書、志望理由書、調査書などを総合的に評価し、第1次選考合格者(面接受験者)が決定されます。特に、自己推薦書(本文及びその根拠となる添付資料)、志望理由書が重視されます。
- 第2次選考
- 第1次選考合格者に対して面接・口述試験が実施されます。面接・口述試験では、主に出願時の提出書類の内容や、志願する学群・学類への適性について評価されます。面接・口述試験は、個別に 30 分程度行われます。
国際科学オリンピック特別入試の選考方法
※情報科学類と情報メディア創成学類への志望が対象です。
選考は、15分程度の個別面接が実施されます。面接・口述試験では、主にする学群・学類への適性について評価されます。
国際バカロレア特別入試(10月募集)の選考方法
選考は、第1次選考と第2次選考によって行われます。
- 第1次選考
- 提出された成績証明書、エントリーシートなどを総合的に評価し、第1次選考合格者(面接受験者)が決定されます。
- 第2次選考
- 第1次選考合格者に対して面接・口述試験が実施されます。面接・口述試験では、主に出願時の提出書類の内容や、志願する学群・学類への適性について評価されます。面接・口述試験は、個別に 10~30 分程度行われます。
※詳細は必ず最新の募集要項をご確認ください。
筑波大学 情報学群のメリット
- 3つの学類による専門性の深化: 情報科学類、情報メディア創成学類、知識情報・図書館学類という3つの独立した学類で構成されており、学生は自身の興味関心に合わせて専門分野を深く学ぶことができます。
- 学群内外の科目を自由に履修可能: 自分の所属する学類以外の科目を履修できる制度があり、幅広い知識や異なる視点を獲得できます。卒業研究では、他学類の教員の指導を受けることも可能です。
- 理論と実践を重視した教育: 第一線で活躍するクリエータ・プロデューサを招いての講義など、特色ある講義を実施しています。社会に通用するエンジニアの育成を目的とした産学連携の実践的教育プログラムなどもあります。
卒業後の進路・就職先
- 筑波大学大学院システム情報工学研究科への進学
- IT企業(ヤフー、ソニー、富士ソフトなど)
- テレビ局、新聞社などのマスコミ
- 任天堂、コナミデジタルエンタテインメントなどのゲーム・エンターテイメント
どんな人におすすめ?
筑波大学情報学群は、以下のような方におすすめできる学部です。
デジタルコンテンツやメディアの未来を創りたい人
- 映像・音楽・アート・UX/UIなど、情報メディアやコンテンツ制作に関心がある
- ネットワークとコンテンツの両面から、新しい表現やメディアを生み出したい
- 技術と感性の両方を磨いて、社会に新しい価値を提供する仕事がしたい
情報と社会・人間の関係に関心がある人
- 情報技術が社会や文化、人間の行動にどのような影響を与えるかに興味がある
- テクノロジーだけでなく、倫理・法・コミュニケーションの視点から情報を考えたい
- 人文社会系と情報系の橋渡しができるような広い視野を身につけたい人
情報分野に可能性を感じている人
- 情報に関する幅広い分野を学びながら将来を見つけたい
- プログラミングや情報システムなど、基礎からじっくり学べる環境を求めている人
- 汎用性の高いスキル(論理的思考力、データ分析、ICTリテラシーなど)を身につけて将来に備えたい人
将来、IT業界のコアな技術者・研究者を目指す人
- ソフトウェアエンジニア、システムエンジニア、ネットワークエンジニアなど、専門性の高い情報技術職で活躍したい
- 大学や研究機関で、AI・データサイエンス・計算機科学などの最先端研究に取り組みたい
- 技術力だけでなく、社会的な課題を発見し、技術で解決へ導くリーダーシップを発揮したい
筑波大学情報学類は、情報科学の根幹をしっかりと学び、コンピュータに関する深い知識と高い技術力を身につけたい学生にとって、非常に魅力的な学びの場です。
もしあなたが上記のいずれかに当てはまるなら、ぜひ情報学群への進学を検討してみてください。
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