名古屋大学情報学部は、自然情報学科/人間・社会情報学科/コンピュータ科学科の3学科からなる学部です。この記事では、3学科の違い、文系で受けられる学科、就職・進路、2027年度入試の科目と日程を、令和9年度入学者選抜要項と公式ページをもとにまとめました。
早わかり
- 3学科:自然情報(数理・データ・シミュレーション)/人間・社会情報(社会情報・心理認知)/コンピュータ科学(ネットワーク・AI・セキュリティ)
- 文系で受けられる学科:人間・社会情報学科。個別試験は外国語と、地歴か数学のどちらか1教科
- 募集人員:一般選抜(前期)121名+学校推薦型28名=149名
- 偏差値の目安(河合塾):60.0〜62.5
- 進路:2025年度では、大学院進学が約64%(大学院進学94名、就職52名)
※一般選抜の募集要項は2026年11月下旬に公開予定です。出願前に必ず最新版を確認してください。
名古屋大学の「情報学部」ってどんなところ?
情報科学技術の基礎知識と応用力に加え、自然や社会をシステムとして理解する力を育てることを掲げています。システム思考で人類の課題を解決し、新しい価値を生む人材の育成が目的です。自然科学、人文社会科学、工学、数理科学、データ科学、人間科学など、さまざまな視点から「情報」をとらえ、領域を融合した新しい情報学をめざす点が特徴です。
学科構成(3学科)
自然情報学科では、自然現象や社会現象を情報科学の視点から理解し、データ分析や数理モデリング、シミュレーションを通して新たな発見や問題解決を目指す分野を学ぶことができます。3年次から、数理情報系と複雑システム系に分かれます。
人間・社会情報学科は、文系の知識と情報学のスキルを融合させ、現代社会が抱える様々な課題に情報技術を活用して貢献できる人材を育成することを目指す学科です。3年次から、社会情報系と心理・認知科学系に分かれます。
コンピュータ科学科では、情報科学技術の中核となる知識と技能を深く学ぶことができます。3年次から、情報システム系と知能システム系に分かれます。
| 学科名 | 主な学び | 入試区分 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 自然情報学科 | 数理科学・量子情報学・データサイエンスなど | 理系 | 数理モデルやシミュレーションで現象を解き明かしたい人 |
| 人間・社会情報学科 | 社会情報学・情報哲学・心理・認知科学など | 文系 | 人や社会の課題を情報の視点で考えたい人 |
| コンピュータ科学科 | ネットワーク・セキュリティ・機械学習など | 理系 | AI・ネットワークなど技術の中核を深く学びたい人 |
文系でも受験できる?
文系の入試区分で受けられるのは人間・社会情報学科です。
- 個別学力検査は、外国語に加えて、地理歴史と数学のどちらか1教科を出願時に選びます(選んだ教科のみ受験)
- 共通テストは6教科8科目または7教科8科目です
- 自然情報学科・コンピュータ科学科は理系の入試区分で、個別試験に理科と数学があります
数学が苦手な人は地歴を選べますが、入学後は情報学の基礎として数理系の科目も学びます。
カリキュラム
全学教育科目
・大学で学ぶための土台づくりとなる科目です。
・「言語文化」や「健康・スポーツ科学」など、日常生活や教養に役立つ内容から「データ科学」や「現代教養」、「国際理解」など、現代社会で必要な知識もカバーします。
→ 自分の視野を広げ、情報を使う“人”としての基礎を育てます。
専門基礎科目
情報学を学ぶうえで必要な、理数系やシステム思考の基本をしっかり学びます。
・情報科学技術の基礎(プログラミング・アルゴリズムなど)
・自然や社会を「システム」として捉える考え方
・論理的に課題を見つけ、解決する力
→ 専門的な勉強の前に、「考える力」と「基盤となる知識」を固めます。
学部共通の専門科目
情報を扱う専門家として欠かせない社会的な視点や英語での発信力を養います。
・情報倫理と法(プライバシー・著作権など)
・社会とのインタラクション(情報が人や社会にどう影響するか)
・アカデミック・イングリッシュ(研究や発表に必要な英語)
・マネジメント(チームでの問題解決やリーダーシップ)
→ 情報を「ただ使う」だけでなく、「正しく使い、社会に活かす力」を身につけます。
学科ごとの専門科目
それぞれの学科で、より専門的な知識と技術を深く学びます。
・AI、数理モデル、ネットワーク、心理など、分野ごとに内容が異なります。
→ 自分の興味・関心に合わせて、専門性を磨くことができます。
卒業研究
4年間の集大成として、自分でテーマを決めて研究に取り組みます。
・指導教員のサポートのもと、最先端のテーマにも挑戦可能
→ 大学での学びを活かし、自分なりの答えを導く経験ができます。
入試情報(2027年度入試)
募集人員
| 学科 | 一般選抜(前期日程) | 学校推薦型選抜 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 自然情報学科 | 34名 | 10名 | 44名 |
| 人間・社会情報学科 | 30名 | 8名 | 38名 |
| コンピュータ科学科 | 57名 | 10名 | 67名 |
| 情報学部全体 | 121名 | 28名 | 149名 |
後期日程は医学部医学科だけで、情報学部は前期日程のみです。私費外国人留学生入試は若干名です。学校推薦型で欠員が出た場合、その分は一般選抜の募集人員に加わります。
一般選抜
前期日程の日程
- 大学入学共通テスト: 2027年1月16日・17日
- 出願: 2027年1月25日~2月3日(インターネット出願登録と検定料納入は1月22日~2月2日)
- 個別学力検査: 2月25日・26日
- 合格発表: 3月10日、入学手続は3月15日まで
自然情報学科とコンピュータ科学科は、25日に外国語と理科、26日に数学です。人間・社会情報学科は25日に外国語と地理歴史、26日に数学です。ただし地理歴史と数学はどちらか1教科を出願時に選び、選んだ教科だけを受験します。
前期日程の入試科目・配点
自然情報学科
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 3:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
個別学力試験 (1100点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (400点)
- 理科「物理」 「化学」「生物」「地学」から1科目選択 (300点)
- 外国語(英語) (400点)
人間・社会情報学科
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から2科目選択 (各100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 から2分野選択 (2分野で1科目とする) (100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 3:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
※理科は基礎2分野指定だが、発展1科目でも基礎科目とみなす。
個別学力試験 (1100点満点)
- 外国語(英語) (700点)
- ※数学I・II、数学A・B・C (400点)
- ※地歴「地理総合、地理探究」「歴史総合・日本史探究」「歴史総合・世界史探究」から1科目選択 (400点)
数学・地歴から1科目選択
コンピュータ科学学科
大学入学共通テスト (950点満点)
- 国語: 国語 (200点)
- 地歴公民: 地理総合、地理探究 / 歴史総合、日本史探究 / 歴史総合、世界史探究 / 公共、倫理 / 公共、政治・経済 から1科目選択 (100点)
- 数学: 数学I・A、数学II・B・C (各100点)
- 理科: 物理、化学、生物、地学 から2科目選択 (各100点)
- 外国語: 英語(リーディングとリスニングの配点比率 3:1)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語 から1科目選択 (200点)
- 情報: 情報I (50点)
個別学力試験 (1300点満点)
- 数学I・II・III、数学A・B・C (500点)
- 理科「物理」 「化学」「生物」「地学」から1科目選択 (500点)
- 外国語(英語) (300点)
| 自然情報 | 人間・社会情報 | コンピュータ科学 | |
| 合格の目安偏差値(河合塾) | 60.0 | 62.5 | 60.0 |
| 共通テスト得点率(河合塾) | 79% | 78% | 80% |
| 個別試験配点比率 | 54% | 54% | 58% |
学校推薦型選抜の入試科目・配点
大学入学共通テストの利用科目
大学入学共通テストで利用する科目は、一般選抜と同じです。
- 自然情報学科: 6教科8科目
- 人間・社会情報学科: 6教科8科目または7教科8科目
- コンピュータ科学科: 6教科8科目
選抜方法
選抜は、第1次選考と第2次選考によって行われます。
- 第1次選考
- 提出された志願理由書、学校長からの推薦書、調査書、大学入学共通テストの成績を総合的に評価し、第1次選考合格者(面接受験者)が決定されます。
- 第2次選考
- 第1次選考合格者に対して面接が実施されます。
※詳細は必ず最新の募集要項をご確認ください。
卒業後の進路・就職先
名古屋大学情報学部の卒業生は、学科によって進路の傾向が大きく異なります。直近3年(2023〜2025年度卒)では、自然情報学科とコンピュータ科学科は約8割が大学院に進学し、人間・社会情報学科は約8割が就職しています。
| 学科 | 2025年度卒 | 主な傾向 |
|---|---|---|
| 自然情報学科 | 就職11名/大学院進学32名 | 約4人に3人が大学院へ |
| 人間・社会情報学科 | 就職27名/大学院進学9名 | 就職が中心 |
| コンピュータ科学科 | 就職14名/大学院進学53名 | 約8割が大学院へ |
主な就職先(2023〜2025年度卒より)
- 自然情報学科:日本ガイシ、ミネベアミツミ、アクセンチュア、アビームシステムズ、日本オラクルなど
- 人間・社会情報学科:野村総合研究所、NTTデータ、デンソー、トヨタシステムズ、三菱UFJ銀行、NHK、中日新聞社、名古屋市役所など
- コンピュータ科学科:野村総合研究所、大和総研、日立ソリューションズ、三菱電機、NTT西日本など
名古屋大学 情報学部のメリット
- 文理融合の教育: 情報学という大きな枠組みの中で、様々な分野の教員が所属し、文系・理系の枠を超えた幅広い教育を提供しています。
- 多様な専門分野: 3つの学科(自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ科学科)があり、それぞれの専門分野を深く学ぶことができます。
- 最先端の研究: 「実世界データ循環学」や「ポジティブ情報学」といったプロジェクトを推進し、社会実装とユーザーからの評価を循環的に繋げる研究や、AI化された未来社会における人間と社会の幸福の実現を目指す研究など、最先端の情報学研究に取り組んでいます。
どんな人におすすめ?
名古屋大学情報学部は、以下のような方におすすめできる学部です。
- 自然情報学科:数学・理科が得意で、データやシミュレーションで現象を理解したい人
- 人間・社会情報学科:文系科目が得意で、心理・社会の課題に情報技術を使いたい人
- コンピュータ科学科:AI・ネットワーク・セキュリティなど情報技術を深く学びたい人
- 進路を決めきれていない人:文理を横断して学べるので、進路の幅を残したい人
名古屋大学情報学部は、情報科学の基礎から応用まで幅広く学ぶことができるだけでなく、文理融合的な視点や実践的な学びを通して、社会で活躍するための総合的な力を身につけることができる学部です。
もしあなたが上記のいずれかに当てはまるなら、ぜひ情報学部への進学を検討してみてください。


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